結論
- 全負荷型は、停電時に家じゅうの回路(コンセント・照明)へ蓄電池から給電するタイプです。
- 特定負荷型は、あらかじめ選んだ一部の回路(冷蔵庫・照明・リビングのコンセントなど)だけに給電するタイプです。
- 普段に近い生活を優先するなら全負荷型、最低限の家電を長く使うことを優先するなら特定負荷型が向いています。
- 全負荷型でも「停電時の出力(kW)」の上限があり、家じゅうの家電を同時に使えるわけではありません。
- 同じシリーズで全負荷・特定負荷を選べる製品もあります。対応は比較表の「停電時」欄で確認できます。
全負荷型と特定負荷型の違い
停電すると、電力会社からの電気が止まります。このとき蓄電池(とパワーコンディショナ)が家の中のどの範囲に電気を送れるかが、全負荷型と特定負荷型の違いです。
| 項目 | 全負荷型 | 特定負荷型 |
|---|---|---|
| 停電時に使える範囲 | 家じゅうの回路 | 事前に選んだ回路のみ |
| 停電時の使い勝手 | 普段どおりのコンセントを使える | 使えるコンセント・部屋が限られる |
| 電気の減り方 | 使う家電が多いと早く減りやすい | 使う家電が限られるので長持ちしやすい |
| 200V機器 | 製品・構成により異なる(要確認) | 製品・構成により異なる(要確認) |
| 工事 | 全負荷用の分電盤や切替機器が必要になることがある | 特定負荷用の分電盤を設けることが多い |
全負荷型が向いている家庭
- 停電時もエアコンや給湯など、普段と近い生活を続けたい
- 在宅介護や乳幼児がいるなど、使える部屋を限定しにくい
- 容量の大きめの蓄電池(10kWh以上など)を検討している
特定負荷型が向いている家庭
- 停電時は冷蔵庫・照明・スマートフォンの充電など最低限で足りる
- 蓄電池の容量を抑えたい
- どの回路を非常用にするか、あらかじめ決められる
全負荷対応・選択可能な蓄電池の例
当サイトがメーカー公式で確認した33製品のうち、停電時の対応を確認できた製品の例です。「選択可」は機器の組み合わせで全負荷・特定負荷を選べる製品です。
| メーカー・型番 | 停電時 | 容量 | 停電時の出力 | タイプ |
|---|---|---|---|---|
| ニチコン ESS-T5L1 | 全負荷 | 9.9kWh | 5.9kW | トライブリッド |
| ニチコン ESS-T3M1 | 全負荷 | 7.4kWh | 4kW | トライブリッド |
| ニチコン ESS-E1(ES-E1L1接続) | 全負荷 | 9.7kWh | 5.9kW | ハイブリッド |
| ニチコン ESS-U4X1 | 全負荷 | 16.6kWh | 3kW | 単機能 |
| 長州産業 CB-H55T77A2 | 全負荷 | 7.7kWh | 5.5kW | ハイブリッド |
| オムロン KPTP-A+KP-BU97C-A | 全負荷 | 9.7kWh | 6kW | トライブリッド |
| ファーウェイ LUNA2000-7-NHS1 | 全負荷 | 7.1kWh | 4.95kW | ハイブリッド |
| ニチコン ESS-U5L1 | 選択可 | 9.7kWh | 5.9kW | 単機能 |
| シャープ JH-WB2621 | 選択可 | 11.5kWh | 4.2kW | ハイブリッド |
| オムロン KPBP-A+KP-BU97C-A | 選択可 | 9.7kWh | 4kW | ハイブリッド |
| 長州産業 CB-LMP97B2(スマートPVマルチ) | 選択可 | 9.7kWh | 4kW | ハイブリッド |
※値はメーカー公式資料による(当サイト確認日:2026年9月24日)。停電時の出力は機器構成によって変わる場合があります。
表を見るときの注意点
- 停電時の出力は構成で変わる:オムロンKPBP-Aシリーズは、特定負荷構成で自立出力2.0kVA、全負荷(トランスユニット接続)で4.0kVAとされています。長州産業のスマートPVマルチも同様に、自立出力2.0kVA(トランスユニット接続時4.0kVA)です。
- 分電盤などの付属機器:長州産業のスマートPVプラス(CB-H55T77A2など)は全負荷分電盤を含めた構成機器に15年保証があると案内されています。オムロンKPTP-Aは全負荷用分電盤を使用します。
- 製品名と「停電時」の表記:ファーウェイは公式サイトで「家庭全体のバックアップ」と記載しています。
- 京セラ、パナソニック、ダイヤゼブラ電機、カナディアン・ソーラーの製品は、当サイトで停電時の対応範囲をまだ確認できていないため表に含めていません。対応していないという意味ではありません。
選ぶときに確認したい3つのポイント
1. 停電時に使いたい家電と消費電力
冷蔵庫、照明、通信機器、テレビ程度なら特定負荷型でも足りることが多い一方、エアコン、IHクッキングヒーター、電子レンジなどを同時に使うと、全負荷型でも停電時の出力を超えることがあります。停電時に「何を、同時にどれだけ」使いたいかを書き出しておくと、店との相談がスムーズです。
2. 容量とのバランス
全負荷型で家じゅうの家電を使うと、蓄電池は早く空になります。容量の目安は容量シミュレーターで計算でき、停電時に使いたい時間(半日・1日・2日)も選べます。
3. 200V機器への対応
エコキュートや200Vエアコンを停電時に動かしたい場合は、「全負荷」という表記だけでなく、停電時に200Vを出力できるかを必ず仕様書で確認してください。製品や構成によって異なります。
まとめ:見積もりで確認すること
全負荷型か特定負荷型かは、製品そのものだけでなく、分電盤の工事や付属機器の組み合わせで決まる場合があります。見積もりでは、①全負荷・特定負荷のどちらの構成か、②停電時の出力(kW/kVA)と200V対応、③分電盤や切替機器の費用が含まれているか、を確認しましょう。複数社の見積もりを並べると、同じ製品でも構成や工事内容の違いが見えやすくなります。製品ごとの詳しい仕様は蓄電池比較表から確認できます。